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6年制薬学部卒業時の資格について

このページでは、薬学部を卒業すると得られる資格や、取得時に有利になる資格などについてご紹介します。資格を取得することで、将来を見据えた時に就職に有利になったり、特定の仕事に携われるようになります。さらに幅広い活躍のために、どのような資格を得られるのかを確認しておきましょう。

薬学部の卒業と同時に取得できる資格と称号

ではまず、薬学部の卒業によって取得できる資格や称号についてご紹介していきます。

学士

大学を卒業する際に称号として「学士」の称号を得られることにより、大学の卒業者として認められます。大学卒業後の就職や進学、資格取得の試験において役立てられます。

薬剤師国家試験の受験資格

薬剤師法において「受験資格は6年制薬学課程を修めて卒業した者」に受験資格が与えられると定められています。ただし4年制だったとしても2017年までの入学者であれば、卒業後に大学院で2年間必要な科目や単位を修得し、厚生労働大臣に認められれば受験資格が与えられます(2018年4月以降の4年制薬学部入学者には適用されません)。

薬剤師合格後にとれる資格

続いて、薬剤師として合格することによって扱えるようになる業務や取得できる資格について紹介します。

毒物劇物取扱責任者

薬剤師の資格を取得すると同時に、「毒物劇物取扱責任者」の資格を保有します(ただし、個人に対して有資格者であるという証明書の発行等はされません)。ただし、厚生労働省令で定める学校(薬学部など)で、応用化学に関する学科を修了した場合には、試験を受験しなくても資格を保有できます。

薬事監視員

医薬品や医療機器、医薬部外品、化粧品などの製造業者や販売業者などに立ち入り、品質や有効性、安全性が守られているかを検査し、必要に応じて監視・指導を行う役割を持ってます。また、虚偽や誇大な表現を含む広告が出回っていないかを調査します。

麻薬管理者

麻薬を使用して診療を行う施設において、麻薬を業務上管理する役割を持ちます。薬剤師であれば麻薬管理者の免許を都道府県知事に申請できます。

食品衛生管理者

主に乳製品や食肉加工製造業など食品衛生管理者の配置が法令で定められている施設において、食品製造・加工における衛生を保持するための管理者です。

食品衛生監視員

空港や港など全国各地の主要な検疫所にて輸入食品の安全について監視・指導、輸入検査に係る微生物検査と理化学検査を行います。

第一種衛生管理者

労働安全衛生法という法律において定められた国家資格。常時50名を超える労働者がいる事業所は必ず1名以上配置することが定められており、就労中の労働災害や労働者の健康障害の防止などを行います。

環境衛生指導員

市民が安心して生活を送れる環境が整えられるよう、事業者や廃棄物処理施設などに立ち入り検査を行って業務内容を確認し、必要に応じて指導を行います。

配置販売業者

店舗(薬局やドラッグストアなど)を持たずに一般家庭を訪問し、一般用医薬品(制限あり)の販売を行える資格です。

薬剤師であれば優遇される資格

続いて自動的に資格は得られないものの、薬剤師資格を持っていれば取得時に優遇される資格をご紹介します。

作業環境測定士

事業場において有害物質などの測定して作業環境の維持管理を行い、労働者の健康を守ることが主な職務。薬剤師は試験が免除されます。

公害防止管理者(大気第2種・水質)

公害が発生する可能性のある工場や施設(製造業や物品加工業、電力、ガス会社など)において、燃料や原材料などの検査を行い、大気汚染・水質汚濁といった公害を防止します。薬剤師は実務経験が必要ですが国家試験を受けず講習受講で取得できます。

環境計量士(濃度)

大気・水質といった環境における有害物質や悪臭物質などの濃度を計量します。薬剤師は実務経験があれば教習によって資格を取得しようとする際(国家試験なしで取得する場合)に特別講習が免除されます(国家試験を受験して取得することも可能です)。

労働衛生コンサルタント

労働安全衛生法で規定されている、厚生労働省管轄の国家資格。企業や事業所の労働者について、衛生水準の向上を図るために診断や指導を行います。薬剤師であれば受験資格が与えられます。

NR・サプリメントアドバイザー

一般社団法人日本臨床栄養協会によって認定される、サプリメントの専門家としての資格です。

健康食品管理士

一般社団法人日本食品安全協会によって認定される民間資格。健康食品をはじめとする、食と健康問題におけるエキスパートといえる存在です。6年制薬学科を卒業した薬剤師であれば、講座受講が免除。

薬学部を卒業していると有利となる資格

最後に、薬学部を卒業することによって受験資格が得られる資格や、取得が有利になる資格について紹介します。

医薬部外品・化粧品、医療機器の製造販売所における責任技術者

医薬部外品や化粧品、医療機器製造に関する許可業者において、その業務の管理責任者を務めるにあたり必要な資格です。大学などで薬学または科学に関する専門課程を修了することによりその資格要件を満たせます。

廃棄物処理施設技術管理者

一般ゴミや産業廃棄物など、各種廃棄物処理施設に設置が必要な資格で、施設の維持管理を行います。薬学部を卒業した場合には、実務経験2年を経過すると受験資格を得られます。

水道技術管理者

水道事業の設置者が設置する必要がある、技術面での責任者です。法令で定められている基準に適合しているかの検査や、新設の水道施設の水質・施設の検査などを行います。受験には実務経験が必要です。

まとめ

6年制薬学部を卒業することによって得られる資格、今後取得するときに有利になる資格について紹介してきました。資格を取得すると、将来的に就職や職業選択に役立つこともありますので、ぜひチェックしてみてください。

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